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『謎の香りはパン屋から』を読んで、日常ミステリーが一番好きだと気づいた話

久しぶりに、最近読んだ本の話をしようと思います。

今回紹介したいのは、
「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞した小説
『謎の香りはパン屋から』 です。

正直に言うと、この本は
タイトルと、かわいらしい表紙に惹かれて買いました。

内容を事前に深く調べていたわけでもなく、
本屋でたまたま目に入って、
「なんだか良さそうだな」と思っただけ。
かなり直感的な選択でした。

でも、読み終えたあと、
不思議と強く心に残る一冊になりました。


目次

物語の舞台は、大阪府豊中市

この小説の舞台は、
大阪府豊中市

実在する「石橋阪大前駅」の近くにある、
――という設定のパン屋
〈ノスティモ〉が、物語の中心になります。

実在する駅名が出てくるだけで、
物語は一気に現実に近づきます。

完全に架空の街ではなく、
地図を思い浮かべられる場所。
それだけで、読者は自然と物語に入り込める気がしました。


大阪出身だから感じた親近感

僕自身、実家が大阪にあります。

石橋阪大前駅の周辺に住んでいたわけではなく、
電車で通過したり、
駅名を見かける程度の距離感ですが、
舞台が大阪だと分かった瞬間、
一気に親近感が湧きました。

「よく知っているわけではないけど、
 知らなさすぎもしない」

この微妙な距離感が、
物語の世界に入りやすかった理由かもしれません。


架空のパン屋〈ノスティモ〉

読み終えた直後、
真っ先に思ったのは、

「このパン屋、実在するモデルがあるのかな?」

もしあるなら、
大阪に帰ったときに行ってみたい。
そう思って少し調べてみましたが、
どうやら明確なモデルはなさそうでした。

少し残念な気持ちもありましたが、
同時に、
「だからこそ、この物語は強いのかもしれない」
とも思いました。


大阪 × 日常ミステリーという相性

大阪が舞台の物語というと、
賑やかでテンポの良い印象を持つ人も多いと思います。

でも、この小説の大阪は、
もっと生活に近い。

駅があって、
人が行き交って、
パン屋があって、
それぞれの日常が淡々と続いている。

その何でもない日常の中に、
説明しきれない小さな違和感が、
そっと混ざってくる。

この距離感が、
日常ミステリーというジャンルと
とても相性が良いと感じました。


この小説を読んで気づいたこと

この小説を読んだとき、
ふと、こんなことを思いました。

「僕が一番好きな小説のジャンルって、
 何なんだろう?」と。

青春ものも好きです。
ゴリゴリの推理小説も面白い。
ホラー小説にも惹かれます。

でも、やっと分かりました。

一番好きなのは、日常ミステリーなんだな、と。

ただ、一点だけ懸念点を挙げるとすれば、ミステリーを読むぞ!と意気込んで

読んでしまうと少し物足りないかもしれないです。

まぁ日常ミステリーって大体全部そんな感じですが😅

人が死んで探偵役が出てきてドロドロの人間関係が暴かれる……みたいなミステリーが

苦手な方にはおすすめです。

特に小・中学生で初めてミステリーに挑戦しようと思っている子にオススメかも知れません。

あと、パンにまつわる豆知識が学べます☺️


日常ミステリーが好きな理由

日常ミステリーって、
とにかく身近に感じられます。

変に身構える必要がなくて、
まるで自分もその場にいて、
すぐそばで話を聞いているかのように、
ストレスなく読み進められる。

大きな事件が起きなくても、
世界がひっくり返らなくても、
日常の中にある小さな違和感だけで、
ちゃんと物語になる。

その感覚が、
僕にとって一番心地良いと感じます。


思わずパン屋に行きたくなる小説

そして――
この小説を読んだら、
きっと町のパン屋に行きたくなります(笑)🥐

少なくとも、僕はそうでした。

あと、お腹が空いている時に読むと危険かも知れないです…

途轍もなくパンが食べたくなるので(笑)

作者・土屋うさぎ先生について

『謎の香りはパン屋から』の作者は、土屋うさぎ先生です。

土屋うさぎ先生は、
漫画アシスタントとして活動しながら、ご自身でも漫画を描かれている漫画家でもあります。
その影響もあってか、本作の文章はとても情景が浮かびやすく、
日常の空気感や人と人との距離が、すっと伝わってきます。

ちなみに、この小説の主人公 市倉小春(いちくら・こはる) も、
大学一年生で、漫画家志望という設定です。
彼女は日常のパン屋でのバイトの中で感じた小さな違和感を丁寧にすくい上げ、
自分なりに考え、読み解き、解決していきます。

探偵のように派手な推理を披露するわけではなく、
「なんとなく気になる」という感覚を大切にする姿勢。
その等身大の視点が、
『謎の香りはパン屋から』を
とても身近で、読み心地の良い日常ミステリーにしているのだと思いました。


「このミステリーがすごい!」大賞とは?

この小説が獲った賞についてご紹介させて頂きます。

「このミステリーがすごい!」大賞は、
宝島社が主催している 新人向けの文学賞 です。

最大の特徴は、
エンタメ性と読みやすさを重視したミステリーが評価される点だと思います。

いわゆる専門家向けというよりは、
「多くの読者に読まれること」を前提に選ばれる作品が多く、
ミステリー初心者でも手に取りやすい。

そのため、
・ゴリゴリのトリック重視
・難解すぎる構成

よりも、
物語としての面白さや、テンポの良さ、身近さが大切にされている印象があります。


日常ミステリーと相性のいい賞

そういう意味でも、
『謎の香りはパン屋から』が
「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した、
というのはとても納得感がありました。

大事件が起きなくても、
日常の中にある小さな違和感だけで読ませる。

この賞が求めている方向性と、
この小説の魅力は、
かなり重なっている気がします。


おわりに

最初に、最近読んだ小説紹介と言いましたが、
実はこの小説を読んだのは、
ブログを始める前で、もう何ヶ月も前になります。

ふと思い出して、
「あ、これブログに書きたいな」と思い、
今回あらためて紹介してみました。

小説紹介に限らず、
他のジャンルでもそうですが、
僕は「今日はこれを書く」と
あらかじめ決めてから書くことはあまりありません。

思い出したものから書いています。

だから書くブログのジャンルは毎日バラバラです。
たまに数学関連が続いてしまうこともありますが、
大体は、その日思いついたことや、
思い出したことを調べ直したり、
小説なら読み返したりしながら書いています。

正直に言うと、
まだ紹介したい小説や漫画は山ほどあります📚
そして、きっとこれからも増えていくと思います。

そのときは、
また気ままに書いていきますので、
どうぞよろしくお願いします(笑)🙂

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この記事を書いた人

好きなことを言葉で繋ぎます!
ブログ初心者なので暖かく見守っていてもらえれば嬉しいです。
また、ハーメルンにてニ次小説を書かせてもらっています!
詳しくはXで!

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