アーサー・コナン・ドイルが生み出した名探偵、
シャーロック・ホームズ。
「名探偵の代名詞」と言われることも多く、
この名前を知らない人は、今ではほとんどいないかもしれません。
クールで、知的で、完璧。
そんなカッコいいイメージを持たれがちですが──
正直に言うと、
もしシャーロック・ホームズが現代にいたら、
かなりの変人だと思います(笑)
今回は、
そんなシャーロック・ホームズが初めて登場した作品
『緋色の研究』 を中心に、
「ホームズとは一体どんな人物なのか」を
少し掘り下げて書いてみたいと思います。
ネタバレを気にする人は今すぐにこの記事を閉じてね😁
初対面で、すべてを見抜く男
『緋色の研究』で描かれる
ホームズとワトソンの出会いは、
シリーズを代表する名シーンです。
初対面にもかかわらず、
ホームズはワトソンと軽く握手しただけで、
「あなたはアフガニスタン帰りの軍医ですね」
と、言い当ててしまいます。
もちろん、
ワトソンはそんな話を一切していません。
手の状態、日焼けの具合、
立ち居振る舞い、話し方。
そうした細かな情報を拾い上げ、
論理的に積み重ねた結果です。
この場面だけで、
読者は一瞬にして理解させられます。
──ああ、この人は普通じゃない、と。
「見ている」と「観察している」は違う
もうひとつ、
ホームズという人物を語るうえで
外せないエピソードがあります。
これは最初の『緋色の研究』ではありませんが、
短編 『ボヘミアの醜聞』 に登場する有名な場面です。
それが、
階段の段数の話。
毎日上り下りしているはずの、
自分たちの部屋までの階段。
ところがワトソンは、
その段数を答えられません。
それに対してホームズは言います。
「君は見ているが、観察していない」
ちなみにこの場面を読んだあと、
僕は実際に家の階段を数えました(笑)
普段何気なく使っている場所ほど、
驚くほど何も覚えていない。
このエピソードは、
ホームズの観察力を
これ以上ないほど分かりやすく示しています。
カッコいいけど、一緒に暮らすのは大変そう
こうしたエピソードを見ると、
ホームズは確かに天才で、
名探偵で、
やっぱりカッコいい。
でも同時に、
会話は理屈優先。
空気はあまり読まない。
興味のないことは平然と切り捨て、
興味のあることには異常なほど没頭する。
コカイン中毒者でもある。
あと、化学実験が趣味。
やはり、
現代にいたら相当クセの強い人物だと思います(笑)
だからこそ、
ワトソンという常識人が隣にいることで、
シャーロック・ホームズという存在は
ようやく成立しているのかもしれません。
ちなみにワトソンも医者ということもあり、
ホームズに負けないくらいの博識です。
実際にバスカヴィル家の犬ではワトソンの推理をホームズが
褒めるシーンもあったり、能力は優秀なんです。
ただ、比較対象がホームズという化け物なので、間抜け扱いされがちですが、
十分すごい人なんです‼️
まぁそうでなきゃホームズの助手は務まりませんよね😅
すべては『緋色の研究』から始まった
こうしたホームズの人物像が、
初めてまとまった形で描かれたのが、
シリーズ第一作
長編『緋色の研究』 です。
この作品で、
ホームズとワトソンは出会い、
後に語り継がれる名コンビが誕生します。
論理を最優先するホームズと、
常識的な視点で世界を見るワトソン。
この対比が、
物語に絶妙な安定感を与えています。
第二部で、物語は大きく姿を変える
『緋色の研究』の特徴として、
第二部で物語が大きく切り替わる構成も挙げられます。
舞台も登場人物も変わり、
ホームズとワトソンは登場しません。
初めて読むと、
「え、別の話が始まった?」
と戸惑う人も多いと思います。
正直、僕もそうでした。
でも、この第二部があるからこそ、
事件は単なるパズルではなく、
人間の物語になります。
なぜこの事件が起きたのか。
なぜ、この人物はそうせざるを得なかったのか。
その「理由」を描くために、
物語はあえて遠回りをする。
この構成は好みが分かれますが、
今読んでもかなり挑戦的だと感じます。
正直に言うと、シリーズをまだ全部読めていません
ここで、
少し正直な話をすると──
僕自身、シャーロック・ホームズシリーズを
まだ全部読み切れていません…
一応、シリーズ自体は揃えているんです。
でも本屋に行くと、
つい新しい推理小説を買ってしまって、
そちらを優先して読んでしまうんですよね😓
ホームズシリーズって、
正直なところ
「よし、読むぞ!」と
意気込まないと手に取れない
作品だと思います。
気軽に1話、というより、
覚悟を決めて向き合う感じ。
それでも読み始めた理由と、コナンの影響
そもそも僕が
シャーロック・ホームズを読み始めたきっかけは、
完全に 『名探偵コナン』 の影響です。
そして、
僕がヴァイオリンを弾いてみたいと思ってしまったのも、
名探偵コナンの影響です。
新一がホームズに影響を受けて
ヴァイオリンを弾けるようになり、
その新一に影響を受けて
僕がヴァイオリンを弾きたいと思う。
こうして考えると、
僕はコナンを通じて、
間接的にホームズに
影響され続けている気がします(笑)
ちなみに、僕のヴァイオリンの腕前は…
ちなみにですが、
僕のヴァイオリンは、
素人に毛が生えたレベルです(笑)
当時やっていたころは、
「なんとなく曲の形にはなってるかな……?」
くらいのレベル。
正直、
他の人からしたら
もっと酷かったかもしれませんが、
自分では「できていた気がする」
という、あの感じです(笑)
もう何年も弾いていないので、
今はきっと
当時よりさらに酷いと思います😓
でも、
実家に帰ったら、
久しぶりにケースから出してみようかな……
なんて思ったりもしています。
最後に──アーサー・コナン・ドイルという人物
最後に、
作者である アーサー・コナン・ドイル についても
触れておきたいと思います。
彼はもともと 医者 でした。
眼科医として開業もしています。
しかし医師としてはうまくいかず、
患者はほとんど来なかったと言われています。
そこで彼は、
作家一本で生きていく
という決断をします。
その過程で生まれたのが、
シャーロック・ホームズでした。
しかもドイル自身は、
最初からこの探偵に
強い愛着を持っていたわけではありません。
本当は歴史小説などを
書きたかった。
ホームズは、
生活のため、半ば「仕方なく」
生み出された存在
だったとも言われています。
それでも皮肉なことに、
世界が選んだのはホームズでした。
さらに後年、
ドイル本人は
現実世界で“ホームズばりの推理”を使い、
冤罪事件の解決にも関わっています。
おわりに
シャーロック・ホームズシリーズは、
決して気軽に読める作品ではありません。
正直、疲れます。
それでも、面白い。
読書だけでなく、
憧れや趣味にまで
静かに影響を与えてくる。
シャーロック・ホームズは、
そうやって
人生のあちこちに
静かに入り込んでくる存在なのかもしれません。
……まぁ、
僕が直接影響を受けまくっているのは、
シャーロック・ホームズより
名探偵コナンの方ですけどね(笑)

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