最近、ブログでは海外の数学者や科学者ばかり紹介してきました。
ラマヌジャン、テスラ、アインシュタイン……。
調べれば調べるほど、世界には本当にとんでもない天才がいます。
でも、ふと思ったんです。
「いや、日本にも世界に誇れる数学者がいるじゃん!」
そこで今回は、
江戸時代に“微積分レベル”へ独力で到達した日本の天才——関孝和(せき たかかず)
について書いていきたいと思います。
■ そもそも関孝和とは?
1642年生まれの 和算家(数学者)。
武士として働きながら、暇さえあれば数学の研究をしていたような人です。
そして強調したいのは、
関孝和が現れる前、日本の和算は“実用中心の算術”が主流だったこと。
・商人の計算
・そろばん
・日常の勘定
こうした“生活数学”が中心で、
いまの数学につながるような 代数・解析の体系はほぼ未発達でした。
そこに突然、たった一人の天才が現れて、
日本の数学は 世界トップレベルへジャンプします。
正直、化け物です。
しかも当時の日本は鎖国。
海外の数学書はほぼ入らないのに、
関孝和は世界最先端級へ独力で到達しています。
■ 何がそんなにすごいのか?
① 二項定理を独自に発見
(a + b)ⁿ の展開、いわゆる「二項定理」。
欧州ではニュートンが発見したことで有名ですが、
関孝和も ほぼ同時期に独力で同じ式を導いています。
鎖国の日本でこれが生まれたのは本当に意味がわからない。
② 行列式(に相当する概念)を先駆的に使用
線形代数の核である“行列式”。
その発想を 世界より早く扱っていた可能性 があり、
和算研究者の間では非常に注目されています。
江戸時代にこれは本当におかしい。
③ 円理(微積分的発想)を独自に展開
図形を極限まで細かく分割して面積・体積を求める——
これは現代の積分そのもの。
関孝和はこれに相当する考えを
円理(えんり) としてまとめています。
欧州の微分積分と完全に同時期。
しかも日本は鎖国。
意味不明(褒め言葉)です。
④ 円周率(π)も小数点以下11桁まで
古典的な多角形近似法を改良し、
3.14159265358(小数11桁)
という高精度を記録。
海外の知識が入らない環境で、
この精度は本当に異常。
■ なぜこんなことが可能だったのか?
現代ならネットで世界中の学問を調べることはできます。
でも江戸時代は、海外の数学書を読むことすらできない。
そんな環境で世界レベルへ到達すること自体、もはや狂気。
才能・努力・集中力……
それだけでは説明しきれない、“執念”のようなものを感じます。
■ 僕の感想:この人、本当に江戸時代なの?
関孝和の業績を調べれば調べるほど、
最初に出てきた感想はこれでした。
「ニュートンとテレパシーで連絡取り合ってたんじゃない?(笑)」
冗談です🤭
でも本気でそう疑いたくなるほど、
鎖国の日本で海外数学ゼロ環境なのに
ニュートン級の成果を次々に出しているのは本当に異常なんです。
そして実は──
海外の数学史では、関孝和を
“微積分へ独立に到達した数学者”
と紹介する文献が存在します。
つまり、
微分積分の独立発見者の一人 として認められ始めている。
もし当時、日本が開国していたら
世界の数学史の微分積分は、
ニュートン・ライプニッツ・関孝和
の3人セットで語られていたかもしれません。
■ 僕がこの人を知ったきっかけ
実は僕がこの人を初めて知ったのは、
**中学か高校のときに読んだ“科学史の本”**でした。
でも学校の授業で習った記憶は、
驚くほどありません。
数学の教科書に名前が出ていたのかもしれないけど、
まったく覚えていないレベル。
そこで思ったんです。
「こんな世界に誇れる日本人を、なぜ授業でちゃんと紹介しないんだろう?」
ニュートン、ガリレオ、アインシュタインはちゃんと扱うのに、
“日本のニュートン”とも言える人物がスルーされるのは、
本当に勿体ない。
もっと学校で関孝和を知る機会があれば、
日本の数学史の見方は絶対変わると思います。
【思想の記録について】
関孝和がどんな“思想”を持って数学を研究していたかを示す
本人の 日記・手紙・随筆などはほぼ残っていません。
残っているのは、
- 著作(『発微算法』)
- 計算ノート(写本)
- 弟子の記録
といった、数学的内容そのものが中心。
ただし、写本の膨大さ・計算の密度から考えて、
生涯をかけて数学に向き合った人物
だったことは確かです。
※思想そのものの記録は残っていませんが、
残された研究量を見ると、
数学に人生を捧げた天才だったことがわかります。
■ まとめ
- 関孝和以前、日本の和算は実用中心
- 一人の天才の登場で世界トップレベルへ
- 二項定理/行列式/円理/円周率など多方面で成果
- 鎖国状態でも世界級の発見へ独力で到達
- 海外では「微積分の独立発見者」として評価されつつある
- 日本史・数学の授業でもっと扱われてほしい天才
海外の科学者たちも面白いですが、
日本にもこんな天才がいたという事実は、
知れば知るほど誇りに感じます。

コメント