僕は昔から、よく妄想をする人間でした。
誰にも話していませんでしたが、気づけば頭の中で物語が勝手に動き出すんです。
登場人物が急にしゃべり始めたり、見たこともない景色がふっと浮かんだり……
そんな妄想が、いつの間にか日常の一部になっていました。
ただ、妄想にはひとつ困ったことがあります。
特に気に入っていた妄想は鮮明に覚えているのに、その他のものは雰囲気だけ残して内容を思い出せなくなってしまうのです。
「あれ、どんな話だったんだっけ」と考えても、輪郭しか浮かんでこない。
そんなことが増えてきたとき、ふと思いました。
「これ、文字にして残しておけば忘れないんじゃないかな。」
それが、小説を書き始めた理由でした。
本音を言えば、僕の妄想を一番そのまま再現できるのは、本当は“漫画”だと思っています。
表情も空気感も一瞬で伝えられるし、映像としての雰囲気も出しやすい。
でも、僕には漫画を描ける自信がありませんでした。
好きなキャラクターを真似して描くのは少し得意でも、ゼロからキャラクターを生み出すとなると話が別で、
世界を絵で作ることがどうしても遠く感じられたのです。
しかも僕、絵を描くのがすごく遅いんです…
たまに絵を描くYouTubeとかを観ることがあるのですが、なんであんなにスーと描けるのでしょうか?
僕も練習すれば出来るようになるのかな?
一時期、僕も絵にハマっている時期があり、イキってコピックペンや画用紙を探しに店に行ったりしました。
僕って形から入るタイプなので笑
でもそれも結局一時的な趣味で終わった状態です。
絵で妄想を再現する段階まで僕は辿り着けませんでした。
だからこそ、僕は“小説”を選びました。
小説も好きでしたし、いつか自分でも書きたいとも思っていて、文字なら僕でも再現できると思いました。
完璧に再現できなくても、妄想してきた景色や会話を“言葉”という形で残していくことができます。
そして、書くことで、頭の中の物語が少しずつ現実の世界に姿を持ち始めるのです。
そこから小説を書き始めたのですが、実は僕、小説も“形から”入りました。
書いたこともないのに、まずヨドバシカメラに行って ポメラ を買ったんです(笑)。
あれにも少し書いてみましたし、文字入力だけに集中できるという意味では、本当に理想的な道具でした。
ただ、しばらくして気づきました。
僕は、小説を書くうえで“調べながら書きたいタイプ”なんだと。
知識が豊富なわけでもなく、ただ頭の中だけで物語を綴れるほどの土台もありません。
今書いている『ユメトセツナ』なんてその最たる例で、バンドの知識も、ライブの裏側の知識もほとんどありませんでした。
だから、どうしても検索が必要になる瞬間があるんです。
でも、ポメラはネット検索ができません。
そのたびにスマホに手を伸ばすと、せっかくの集中が途切れてしまいます。
「これは僕には向いてないかもしれない」と思い始めました。
そこで、思い切って MacBook Air を買いました。
結果的に、これは大正解でした。
調べたいときはすぐに調べられるし、小説だけじゃなく、ブログまで始めるきっかけにもなりました。
もしあのとき「ポメラを買ったから、これだけで頑張ろう」と無理していたら、きっとブログを書き始めることはなかったし、小説も諦めていたと思います。
こうして僕はMacBook Airを相棒に今日まで色々書いてきました。
しかし、小説は書くだけなら誰でも出来ます。
ただ、面白いものを書こうと思うと話は別です。
プロの作家さんが執筆された色々な小説を読むたびに思います。
「どうしてこんな美しい文章が思いつくんだろう?」
正直、絶望してしまうこともあります(笑)
特に地の文は、今でもずっと苦手です。
それでも、書くことは辞めたくありません。
うまく書けない日があっても、書かないと消えてしまうものがあると思うからです。
そして、ブログを始めようと思った理由も、小説とほとんど同じです。
僕は日々の気づきや感情を、そのままにしておくとすぐに忘れてしまいます。
大切だと思ったことも、翌日には薄れてしまう。
だから、こちらも言葉として残しておこうと思いました。
小説は“頭の中の物語の記録”。
ブログは“心の記録”。
どちらも、僕にとって自分の世界を形に残すための大切な場所です。
これからも、忘れたくないものを、好きな時に、好きなように、書きながら残していこうと思っています。

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