僕は昔から人の心に興味があって、時間を見つけては心理学の本を手に取ってきました。
難しい専門書ではなくても、ふとした気づきをくれる一冊に出会えると、それだけで少し世界の見え方が変わる気がします。
その中で出会ったのが、アドラー心理学でした。
読んでみると日常に生かせるヒントが多く、「なるほど」と思えることがたくさんありました。
同時に、「これは本当にそうなのかな?」と首をかしげた部分もありました。
今回は、そんなアドラー心理学を読んで僕が感じたこと──共感できた「光」の部分と、限界を覚えた「影」の部分──を、素直に書いてみたいと思います。 💭
🌟 光の部分──僕が共感したこと
🔹 課題の分離
「これは自分の課題か、相手の課題かを分けて考える」。
この視点に何度も救われました。
相手がどう感じるかは相手の課題。
自分のすべきことに集中するだけで、驚くほど気持ちが軽くなります。
🔹 共同体感覚
「人は人とのつながりの中で生きている」。
大きなことを成し遂げなくても、誰かの役に立っていると感じられたときに心が温かくなる。
ブログを書いたり、ちょっとした助けをしたり、そんな小さな行動にも意味があるんだと教えてくれます。 🐧✨
🔹 目的論的な考え方
「人は原因で動くのではなく、目的で動く」。
過去に縛られず未来をどう生きるかを考える──
この考え方は、生きる力を与えてくれます。 🚶♂️🌈
🌙 影の部分──僕が感じた限界
1. トラウマの重さ
アドラー心理学ではよく「トラウマは存在しない」と紹介されます。
ただ、これは「過去の出来事がその後の人生を決めてしまう」という考えを否定したものです。
つまり、アドラーはトラウマ自体を否定しているわけではありません。
出来事そのものよりも、その出来事をどう受け止めるかが大切なんだ、という考え方です。
それでも、やっぱり割り切れない部分はあります。
たとえば子どもの頃に犬に追いかけられた人が、大人になって「犬はもう怖くない」と頭で理解していても、実際に犬を目にすると心臓がドキッとする。
これは「考え方を変えればいい」と簡単に片づけられるものではありません。
体や感情に刻み込まれた反応は、意味づけだけでは乗り越えられない場合もある。
ここはアドラー心理学だけでは補いきれない部分だと思います。 🐕💦
2. 理由のない落ち込み
「勇気を持って一歩踏み出す」。
この言葉に励まされることもあります。
でも、理由もなく気分が沈んでしまう日もある。
昨日と同じ生活をしているのに、朝起きたら体が重くてやる気がまったく出ない。
そんなときに「勇気を出せ」と言われても、「その勇気を出すエネルギーがないんだ」と感じてしまう。
ここには、心理学だけでなく体調や脳の働きが関わっているのかもしれません。
「気分の波」までをすべて目的論で説明するのは無理がある気がします。 🌧️😔
3. 感情のややこしさ
アドラーは「感情は目的のために生まれる」と整理します。
たしかにそう説明できる場面もありますが、実際の感情はもっと雑で矛盾しています。
大切な人に「ありがとう」と思う一方で、「どうして分かってくれないの」と苛立つ。
幸せを感じている瞬間に「この幸せが壊れるのが怖い」と不安になる。
こうした矛盾した気持ちは、ただの“目的”では説明できません。
でも、このややこしさこそが人間らしさであり、芸術や物語を生み出す源なのかもしれません。 🎭🎶
4. 孤独や人生の不安
「共同体感覚を持てば幸せになれる」。
その考えには強く共感します。
でも、人間にはもっと根源的な不安があります。
夜、ふと「自分はいずれ死ぬんだ」と思ったときの孤独や恐怖。
どれだけ人とつながっていても、この不安は消えません。
ここはアドラー心理学ではなく、哲学や宗教が扱ってきた領域に近いのだと思います。 🌌💭
✨ まとめ
アドラー心理学は、生きやすくなるための強力な道具です。
課題の分離、共同体感覚、目的論──どれも心を軽くしてくれる考え方です。
でも、すべてを説明できるわけではありません。
トラウマのように身体に残る記憶もあるし、理由のない落ち込みもある。
矛盾した感情や、死に向き合う孤独もまた、人間の一部です。
だから僕は、アドラー心理学を「信じる」よりも「使う」感覚で取り入れるのが良いと思っています。
自分に合う部分は生かしつつ、足りない部分は他の学びや体験で補っていく。
心理学は万能の答えではなく、人生を見つめるための“ひとつのレンズ”なのだと感じています。 🔍🌿
🙏 最後に
アドラー心理学は非常に誤解が生まれやすい心理学です。
僕自身も専門的に学んでいるわけではなく、ただ本を読んで感じたことを書いているだけの一読者にすぎません。
なので、ここに書いたことの中には間違いや誤解も含まれているかもしれません。
どうか鵜呑みにせず、「こういう視点もあるんだな」くらいに受け取っていただければ幸いです。 🌙📖

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